絵のはなし

副島成記さん(ペルソナシリーズ)と佐伯俊先生(食戟のソーマ)のスゴすぎるメイキングについての感想諸々。

2016年6月5日

こんにちは、もとみんです。

今回はペルソナシリーズのキャラデザでも有名な副島成記さんと、食戟のソーマの作画で有名な佐伯俊さんについて語ろうと思います。

 

副島成記さんのメイキングがすごすぎた件

先日、youtubeの「後で見る」リストに入れっぱなしだった副島成記さんのメイキング動画を見ました。ゲーム「ペルソナ5」のキャラクターのメイキングで、去年の9月頃には既に動画公開されていたようだから今更な話題ですが…

これがもう…

 

目からウロコ…Σ(゚ロ゚」)」

 

絵描きさんはたぶん、最初に「アタリ」という大体の全体像をさらっと書いて、そこからラフを描いて、下描きをして…と色々段階を踏んで仕上げていく方が多いと思うんですが、副島さんの描き方はなんかもう、「え、それアリなんすか!?」みたいな感じだった!

なんていうんだろう、普通は「線を書く」のに、副島さんのこの描き方は、それプラス、「整形して線を作っていく」みたいな…個人的にはすごく衝撃をうけました。

なんなのその引き算的な絵の描き方!?

…というわけで、こちらにその衝撃のメイキング動画を貼っておきます。

ペルソナや副島さんを知らないという方でも、結構面白いと思うので、よろしければ是非見てみてください♪

 

ペルソナ5 キャラクターデザイナー副島成記 イラストメイキング

 

若干色を塗ってますが、基本はモノクロです。個人的にはカラーメイキングを見たい!

塗りも美しいですよね…どうなってるんだ一体!!?

 

  

 その勢いで「ジャンプ流」のDVDを見た件

副島さんのメイキングが面白かったので、その勢いのまま「ジャンプ流」のDVDを見ました。

「ジャンプ流」って知ってますか?

これなんですが… 

ジャンプ流!DVD付分冊マンガ講座(10) 2016年 6/2 号 [雑誌]

ジャンプコミックスを買った際に帯に宣伝で載っていたのを見て、「実際に描いているところを見てみたい!」と思って早速買いました。本屋さんの雑誌コーナーにありましたね。

とりあえず附田先生&佐伯先生のを購入。

バックナンバーに藤巻先生のがあったので、黒バス大好きな姉へのお土産にこちらも購入しました。

このシリーズ、欲しい先生のがけっこうあって困ります。とりあえず、桂正和先生と小畑健師匠と浅田先生はかなり欲しいし、いやしかし、岸本先生と和月先生と冨樫さん(なぜか先生と呼ぶ気になれない一方的な親近感w)も欲しいかも的な感じだし…嗚呼、恐るべしジャンプ!

個人的には大好きなK先生のメイキングが見たいので、ぜひ講談社にも「マガジン流」を出してほしいです♪

 

佐伯俊先生のメイキングもすごかった件

そんなわけで、わくわくしながら「ジャンプ流」のDVDを見たのですが、佐伯先生のデジタル具合には驚きました。

設定資料は全部データ化されていて、アシさんがいつでも見られるように共有されている。で、附田先生のネームはいつでもタブレットでデータ確認できるようになっている…なんてハイテク!(*゚д゚*)

原作と作画が分かれている場合、原作はどこまで指示を出すのだろう?と謎に思っていたけど、原作の附田先生も漫画家だし、プロットだけじゃなくネームまでばっちり描いてるんですね。

余談ですが、以前、漫画原作についての書籍を読んだのです。それはあくまで、「文字書きさんが『漫画原作者』を目指す為の指南書」だったわけなのだけど、それの場合はプロットまでが原作者の領域でした。演劇やドラマ脚本のト書き部分をもうちょっと具体的にしたような感じでしょうか。

その本は実際に漫画原作をしている方が書かれたものなのだけど、なんていうか…原作者の方が上みたいな雰囲気が言葉のチョイス的に表れてて、う~ん、それはちょっと…と思ったのを覚えています。

原作者と漫画家のあいだで喧嘩になったという事例は結構あるそうだけど、ソーマの両先生の場合は大学の先輩後輩だそうで、仲が良いんだとか。芸大って書いてあったから、そもそも絵の道を歩んでいたお二人なのですね。

そういえば佐伯先生が小畑師匠のことを尊敬していると言っていました。やはりそこか~師匠めちゃんこ上手いもんね!と大納得です。

 

それでメイキングの感想なのですが、、

 

描くのがめちゃくちゃ早い!!!

 

右手でペンタブを持ち左手でショートカットキーを使いこなす!

DVDを見ていて、「え、今どうしてあのアクションが起きたの?」って感じで若干ついていけなかったです。神業すぎる!!!

 

以前「佐伯先生はデジタルなのにあんなにきれいに強弱をつけられるのはスゴイ」と書きましたが、あれはペン入れ時のワンストロークの綺麗さと、線幅修正を併用した結果だということが分かりました。

佐伯先生の使用ソフトは、モノクロがコミックスタジオ、カラーがクリップスタジオ、だそうです。わたしも同じソフト環境なので、今手元にあるソフトであのレベルの作画が可能なのか!と思うと震えます;

しかし、なるほど…線幅修正…今までこの機能を使ったことがなかったです。今度使ってみよう!

先生曰く、ワンストロークに1レイヤーくらい、らしいです。ワンストローク毎に修正ができるからだと思いますが、レイヤーが恐ろしい数になりますよね…これはちょっと真似できないかも…。

それにしても、これは一発で線を描くのではなく、線を修正して整形していくというのに近いような。そう考えると、副島さんの線を作っていくあの作画感覚にも近い気がするんです。もしかして線を一発で決めるという考えはもう古いのか…??

あとカラーですが、佐伯先生はグラデーションが綺麗だなぁと思っていたんです。だからどんな風に塗ってるのかな?と興味津々だったのですが、見てみたら想像していたよりは普通でした。

メイキングで描いていたカラーイラストのグラデ部分はたぶん「ぼかし」使用だと思うし、特殊なことはしてなかったような…

でも、仕上がってみるとすごく綺麗なんですよ!

例えば同じ下絵を用意されて、はい塗ってみて、って言われたら、ああいうふうには塗れないなって思う。

それは何故なんだろうって今しみじみ佐伯先生のカラーを見て考えたけど…もしかしたら「陰影」かもしれない。

服のしわの影のつけ方とか、たぶんこれは、わたしにはできないなぁと思うんです。それは、影がどうやってつくかをちゃんと理解してないと描けないからなんですよね。つまり、「やっぱり基礎が大切!」ということなのだなあとしみじみ…ローマは一日にしてならずです。

あと、コミスタやクリスタは無料で素材をダウンロードできたりしますが、先生も普通にダウンロードして使っていたのでなんか妙に親近感わきました(笑)

その他に印象に残ったのは、創真の眉を違うブラシで描いていたことです。ちょっとギザギザしたブラシで描いて、その上から細かく線を入れていました。なるほど!こうして細かく描写しているのか!と勉強になりましたね。

 

メイキングを見て気付いたけど…

なんだかもう、自分はペイントソフトを使いこなせてないなと痛感しました。恥ずかしいはなしですが、「閉領域フィル」という機能を知らなかったですからね! 最初から普通にツールバーに表示されてるのに!(笑)

あと、↑こういう、線とのあいだに微妙な白い隙間ができるのがいつも苦痛だったのだけど、これもどうやら解消できるらしいと知って驚きました。機能を知らないというだけで時間が大幅にかかっていた~!!!

便利機能を知らなくても、ほかのやり方でどうにかなってしまうと、知らないまま時が過ぎてしまうんですよね…うう~おそろしや!

なんか自分、改善の余地がありまくりでした。というかむしろ、改善の余地しかなくて困りました(笑)

にしても、こうして尊敬する絵師さんのメイキングを見るといろいろなことに気づけていいものですね♪

ではでは、また!

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