本のはなし

マツコ・デラックスさんと中村うさぎさんの本が結構面白かった件

2019年10月23日

こんにちは、もとみんです。

今回は、ちょっと前に気になって買った本を読んだら面白かったので、そのことについて書こうと思います。

それがこれ!

中村うさぎさんとマツコ・デラックスさんの「愚の骨頂 続・うさぎとマツコの往復書簡」という本です。共著とか対談とかではなく、往復書簡をそのまま本にした、というものらしいです。しかも続編なんだけど、前回を読んでなくても楽しく読めました。

 

今回おはなしする本はコレ!

愚の骨頂 続・うさぎとマツコの往復書簡

 

恥ずかしながら、いままで中村うさぎさんのことはあまりよく知りませんでした。名前は聞いたことがあるかなあ程度で。

コメンテーターとかでテレビに出ていたようですが、そもそもワイドショーを見ないのでよく知らないという…しかしこの本を読んだら、あ~これは話してみたいタイプの人だ!と思いました。

一方のマツコさんは毎週「月曜から夜ふかし」を見ているのでお馴染みなんですが、バラエティで面白いことを言いつつも、かなり真面目な意見を発する人だなあという印象があって。

 

そのようなお二人がお互いに話し合っている本なのだけど…

 

も~めちゃくちゃ話題が真面目!!!

 

なんかこう、楽しく哲学を語る、みたいなイメージというか。

ここ最近読んでいたのが、結構エビデンスありきのものだとかビジネス書とかだったので、久々に文系的な楽しさ(?)を味わいましたね!

文系的な楽しさというと語弊があるかもしれないんだけど、「考えても答えの出ないことをとうとうと考える」というところに醍醐味がある気がします。

世の中にはその答えを知っている人がいるかもしれないし、それを学術的に考えるとこう…みたいな解を出すことも不可能ではないのだろうけど、あえてそこには触れずに井戸端会議的に哲学的な話をするっていう。

個人的に、この部分を読んで「それな!」って思いました。

 

「傲慢」こそ、悪徳の王。差別やイジメだって、マジョリティーや強者の「傲慢」から生まれるわけだし。

 

これは中村さんのほうがおっしゃってた言葉です。

中村さんは、メディアについても「大衆の代弁者を気取りながら大衆を馬鹿にしてるから傲慢なのではないか」と言っています。また政治家についても、「国民の代表みたいな顔して国民を見下してる」という。さらには、その欺瞞に本人が気づいていないことが恐ろしい、とも。

あと、これも良い。ちょっと箴言的な言葉だけど…

 

本物の「無垢」は、知性なくして成り立たない!

 

これも中村さんの言葉ですが、「単なるバカ=純粋」ではなくて、無垢には知性が必要なんだ、という文脈で出た言葉です。

 

深くて重くて暗い話をできる相手がいるか?

この本を読んだら、なんか妙に懐かしい気分になりました。というのも、高校のときの親友と、よくこういう話をしていたなあということを思い出したんです。

その親友は、いわゆる「深くて重くて暗い、真面目な話」をできる人で、そこまでの深度の話をできるのは彼女ぐらいだった。今思い出しても、かなり貴重な人だったなあと思います。

中学の時もそれに近い人はいたけれど、あまりに重すぎて、わたしのほうがギブアップしました; いま思うとあのとき向き合っておけばよかった、、

こういう「深くて重くて暗い、真面目な話」をできる人というのは、わたしが今まで知り合った人でいえば、ほとんどの場合、文学が好きな人です。それから演劇をやっている人も多い。ただし、受け手じゃなくて、作り手の場合が多い気がします。

こういう話をできる相手ってすごく特殊で、残念ながら今のわたしにはいないです。でもこの本を読んだら、久々にそういう話をがっつりするのも楽しそうだなあと思いましたね。まあ相手がいないけど(笑)

そう考えると、こんなめっちゃ真面目な話をできる中村うさぎさんとマツコ・デラックスさんの関係そのものがすごく素敵だなあと感じました。それがこの本の総括ですね!

ではでは、また!

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