こんにちは、もとみんです。
先日「あ~自分ほんとうにダメダメ人間だなぁ」と思うような事案がありました。
スーパーマリオでいったら、世の中のみんなはスターを取って無敵状態でどんどん先に進んでる感じなのに、自分はステージ1-1の最初のクリボーを飛び越えて「お~やればできるじゃん自分!」と自画自賛したのも束の間、そびえたつ土管が飛び越えられないバグが発生!とかそういうレベルなのです。
ちっちゃなマリオでさえ飛び越えられるのにね! ざんねん!
そんなことを考えていたら、1か月前くらいに読んだ少女漫画のことを思い出しました。いや、少女漫画ではないのかもしれません。作者さんが青年誌で活躍されていたそうなので、もしかしたらこれも青年向け漫画なのかもです。
この漫画、最初に読んだときなかなか共感できなかったんですよね。一応ハッピーエンドなんだけど、なんかムズッとする終わりで…
けれど、「自分ダメじゃなぁ」とさめざめ思っていたとき、ふとこの漫画のことを思いだしたら、「あーなんだかわかったような気がする」と感覚が一変したんです。
そんなわけで、今回はその漫画について書こうと思います。
ちなみに先に言ってしまうと不倫が題材の漫画です。昨今かなりピリピリしているテーマなので、うえ~という方はサクッとスルーしていただければと!思いますので!
そのような場合は「友情・努力・勝利」でお馴染みの週刊少年ジャンプの漫画についてゆるっと平和に語っている記事なんかいかがでしょうか?
男性からすれば「不倫でも浮気でもなく協力」
まず漫画の紹介なのですが、中野純子さんの「Say,good-bye」という短編漫画集の中の一番最初に収録されている「アタシに愛を!」というお話です。
注意ポイント
※超ネタバレですが、あらすじは超ザックリ言うとこんなかんじです。
結婚はしたくないけど子供が欲しいOLさんが原始的な方法で精子提供してくれる男性を募ったところ、妻帯者の男性が名乗り出てくる。
体を重ねる内に男性はだんだんとOLさんに惹かれ、ついに朝帰りする事態に。事の次第を察した妻に全てを話した男性は、妻と離婚しOLさんと一緒になる。生涯子供は授からなかったものの二人は幸せに暮らした。
1~2か月前、この漫画の電子書籍の広告バナーでよく出てたんですよ!
上記のとおりセンセーショナルな内容だったのでちょっと気になってたんですね。で、ためしに電子書籍のサイトに飛んでみたら、もう~レビューがスゴイことになっていて!
想像がつくかと思いますが、OLさんが身勝手だとか、妻と離婚するなんてヒドイとか、まあそういった内容でした。実際読んでみると、やっぱりわたしも釈然とはしませんでしたね。
たぶんそれはOLさんが比較的サバサバ系の性格というか…あんまり弱みを見せてないんですね、男性に。むしろ妻は夫のことをすごく愛してて、不倫している事実を悟ったとき泣いてました。
女性が読んだら大体妻に感情移入するのでは…という気がしないでもないのですが、そもそもこの漫画の主人公は男性なんですよ。だから男性が読むと納得できる内容なのかもしれません。
なぜ「夫は要らないけれど子供は欲しい」のか?
OLさんが出産を望むのには理由があります。彼女は母子家庭で育っており、かつて母親に「結婚しなくても子供だけは生みなさい、それが生きる糧になるから」と言われたことがあったのです。彼女は、母にとって自分がそういう存在であったことを知って嬉しかったそうなんですね。
で、後に男性は、「自分はこの告白を受けて彼女に惚れたんだ」と自己分析しています。
OLさんが欲しかったのは子供そのものというより、生きる糧だったということですよね。タイトルが「アタシに愛を!」というところからもそう感じられます。
最終的に子供に恵まれず終わるのはある種の皮肉にも感じられますが、ストレートに考えれば、夫という生きる糧を得て愛を手に入れたということなのでしょう。
子供は望まず仕事熱心な妻
一方、離婚するに至った妻のほうはというと、OLさんとは真逆タイプのキャラです。子供は今は要らないという考え方で、熱心に仕事を頑張っている。
しかし夫をないがしろにしているわけではなく、むしろちゃんと夜の営みがあるほうです。ただ、作中で「ゴムが切れているから今日はなしで」と夫の誘いを断っているシーンがありますから、しごく積極的というのとはまた違うのかもしれません。
この妻に対し夫である男性はどう考えているかというと、結構愛があるように感じます。まあその裏でOLさんと関係を持っているわけだから、それを考え始めると「愛ってなんぞ?」ってハナシになっちゃうのですが…
で、この夫の考え方にも実は親の影響があるんですよね。自分の母親が自由じゃなかったから、逆に妻には自由にやっていてほしいという…実際、妻は家庭に縛られずに仕事を頑張っていて、夫もそれを応援しています。だから彼の結婚生活は理想通りなはずなんです。
そこで気になるのが夫の行動の理由です!
先述のとおり、妻は現状、子供を望んでいない。じゃあ夫はというと、「絶対に子供が欲しいというわけじゃない」と語っているんです。
じゃあなんで精子提供はするの???
実はこの漫画、冒頭で夫のメッセージが書かれています。それは夫が精子提供者として応募した際、OLさんに送ったメッセージです。
そこには、「あなたが僕の遺伝子を受け継いだ子供を産み、しっかりと育てることのできる女性ならば…」というようなことが書かれている。個人的にこの文言はひっかかりました。冒頭から既に「ん…?」っていう。
今の時代は自ら進んでシングルマザーとして生きる女性もいますし、精子提供って思っていたよりはずっと身近な話題になっているような気がします。
この漫画が描かれた時代はどうだったかわかりませんが、最近も、精子提供しているという男性のインタビューをみかけました。その男性が行動を起こした理由は、自分の家庭では子供が作れないのでせめて協力できれば、というもの。
これは男性なら頷ける心理なのかな…?
例えば逆だったらどうでしょうか。夫との間に子供を作ることができないので、卵子を提供するとしたら…?(まあ現実的に有りえない話かもしれませんが;)
なんとなくですけど、女性は進んで提供しなそうな気がしますね。
相手の遺伝子を選ぶことが愛なのか…
話を戻すと、この漫画の冒頭の夫のメッセージを読んだとき、「この男性は自分の遺伝子を残したいんだな」と思ったんです。いつもは「別に子供が欲しいわけじゃない」と言っていたとしても本当は自分の遺伝子を残したいんだ、と。
妻からは欲されないのに、「あなたの遺伝子が必要です」という別の女性が現れたら…それって自分に価値を見出してくれているというか、自分を選んでくれたんだって感じがやっぱりあるんじゃないかと…。
ここですごく余談なんですが、すごく昔、わたしは彼氏から「俺の子供産みたい?」と聞かれたことがあるんですよ。けどですね、なんかそのときすごく違和感を覚えてしまって。
だって、なんで「俺たちの子供欲しい?」じゃないんですかね?
なんで「俺の」なの?っていう。
こっちの遺伝子はガン無視かよ!って思いましたよね(笑)
まあ女性側にも「貴方の子供が産みたい」という考え方があると思うので、それと同じなのかもしれません。素朴な疑問なんですが、遺伝子を選ぶことって愛と同等なのですかね? 愛ってそういうものなのかな…愛ってなんなんだろう…(笑)
心がぎりぎりのほうが共感できる
この漫画のOLさんと男性の心情について、わたしはイマイチ正解がわかりません。気になったからネット上で感想をかかれているサイトさんとかも見に行ったんですが、わたしが気になっている部分には言及されていませんでした。
だから「これかな?」「これかも?」といろいろ考えたんですが、たぶんこれは作者さんにしか分からないんですよね。
単に、「いつのまにかお互い惹かれていた」で片づけていいものなのか…
けれど、「子供が生きる糧になるから」という言葉がある限り、あんまり軽い問題ともおもえないんですよね。しかもラストは子供がいないわけですし!
で、ここでやっとこのエントリーの冒頭に戻るんですが、自分の心がギリギリになったとき、このOLさんの行動に納得できたというか、今まで共感できなかったのがストンと落ちた感じがしたんですよね。
OLさんも男性も、そこそこ普通の毎日を送っているんです。たぶんそこそこ幸せなんですよね。それぞれ出会わないままでも生きていけたんだろうと思うんです。
だけど実は心の奥に穴があいていて、出会ったことでそれに気づいてしまった…的な。
わたしなんぞは心がぎりぎりになると、「自分ごときに一体何ができるんだ? 自分にできることってなんなんだろう」みたいなことを妙に考えるんですけど、子供をつくるというのはある意味自分ができることの究極型のような気もするんですよね。
この漫画ではそれを「生きる糧」と言っているわけだけど、それって自分の存在証明にも似てると思うんです。
性格上、このOLさんの言動にはあんまり共感できなかったのだけど、自分がぎりぎりメンタルのときに改めて考えてみたら、「ああ、このOLさんも顔に出さないまでもギリギリだったんだろうなあ…」と思って。
しかし今度は元妻がぎりぎりメンタルになってるんでしょうね…そう考えるとやっぱり略奪愛はツライ!(;∀;)
そんなわけで
土曜の朝から重いことを書いてしまった…!
実はさっきまで久々に自サイトをいじってまして、久々にサーバーエラーとかに出くわしたものだからかなり頭が疲れてます;
そんなときにこんな記事書くなよってハナシなんですが、この漫画については書きたいなぁという気持ちがあったので書けてよかったです!
皆さんは、この漫画のキャラクターたちの感情をどう捉えますか? そして、結果的に子供をもたずに終わるラストになにを感じますか?
いろいろ考えさせられる話なので、よろしければぜひ読んでみてください♪
ではでは、また!