エンタメのはなし

「黒子のバスケ」における赤司征十郎の異常な存在感について

2016年7月11日

こんにちは、もとみんです。

月曜日の朝からどうにもこうにもヤル気になれずうだうだしています。こんなとき、ずん飯尾さんの「平日の昼から~ごろごろ~ごろごろ~」というあのネタを思い出します。正にあの心境!

体調不良なので病院に行こうと思っていましたが過去の経験からして触診があるだろうからシャワーを浴びてから行きたいと思うわけです。しかしどうでしょう。ダルすぎてシャワーが浴びられない。

そんなわけだからこんな切ない月曜日には、悲しみに暮れながら黒子のバスケについて語ろうと思うわけであります。愛のままに我儘に語ってみようかと!

因みにわたしは黒子のバスケを全巻電子書籍であつめました。当時電子書籍は40%OFFとか当然のようにやっていてお得だったのです。

だから実際の本棚には並んでいないのですが、電子書籍ライブラリでは全30巻分ズラリと並んでおります。現状わたしのライブラリを一番占めているのが黒子のバスケです。

 

※この先若干ネタバレあります。EXTRA GAMEも!

※全て愛ありきの言葉です。批判的な意味合いは1ミクロンもありません。(←超重要)

 

そもそも「黒子のバスケ」とは?

「黒子のバスケ」通称「黒バス」は週刊少年ジャンプで連載されていた藤巻忠俊先生によるバスケ漫画です。掲載期間は2009年2号~2014年40号。2012年4月~アニメ化されました。

おそらくアニメ化を機に大ヒットしたと思われますが、2012年当初「黒バス」という略称を見て、同作品を知らない人は「黒バス=ブラックバス=魚。ブラックバスって今そんなに人気なのか~!」と思ったらしいです。その発想好きすぎる!!(笑)

 

「黒バス」のあらすじ 

黒子のバスケは、主人公・黒子テツヤが誠凛高校に入学し男子バスケ部に入部届を提出するところから始まります。

この黒子くん、とても影が薄く、バスケも弱いのが特徴です。影が薄いから「え、いたの?」と驚かれるほどの存在です。しかしこの影の薄さを利用し、中学時代の彼は一時活躍していました。

帝光中学というバスケの名門中学校に通っていた黒子くん。100人越えの男子バスケ部ではもちろん目立ちません。同じ学年には10年に1人の天才と言われる5人の選手がいて、彼らは「キセキの世代」と呼ばれていました。

キセキの世代と黒子くんの差は歴然。しかしキセキの世代の一人・赤司くんに「影の薄さが武器になる」ということで能力を見出され、「幻のシックスマン」として活躍するようになるわけです。

 

「黒子のバスケ」主要登場人物

  • 黒子テツヤ・・・主人公。影が薄いのが特徴。
  • 火神大我・・・主人公の親友。帰国子女。野生が武器。
  • 黄瀬涼太・・・キセキの一人。模倣が得意。
  • 緑間真太郎・・・キセキの一人。超長距離3Pシュートが得意。
  • 青峰大輝・・・キセキの一人。野生が武器。
  • 紫原敦・・・キセキの一人。でかさとパワーが武器。
  • 赤司征十郎・・・キセキの一人。エンペラーアイを持つ。

 

「黒バス」世界のキーパーソンとは?

 「キセキの世代」とは、黄瀬・緑間・青峰・紫原・赤司の五人を指します。この五人はそれぞれ違う高校に進学したので、中学では強力な仲間であったところを、今度は強力な敵として戦うことになります。

一方、黒子くんは高校で帰国子女の火神くんに出会います。一人では影が薄くバスケセンスも残念ながら乏しい黒子くんですが、火神くんとコンビを組むことで、かつての強力な仲間達を倒していくことになります。

弱い主人公が、強力な敵を倒し、強くなっていく…王道だけどスカッとするストーリーの筋ですよね!

「キセキの世代はすごい」という情報を最初に与えられているので、一人づつ登場するたびに「残っているアイツが気になる!どんなヤツなの?」という気持ちになり…

途中で「キセキの世代があるひどい事をした」という情報も追加されたので、「えー!どんなヒドイことしたの?!」とここでも気になり…わたしなんぞは完全にペースにはまりました;

 

勇者黒子VSラスボス赤司の結果は…

キセキの世代で一番最後に登場したのは、赤司くんです。キセキの中でも一番強いので、いわば重役出勤というわけです。個人的にはその類まれなる厨二っぷりがすごく好きですね!笑

赤司くんはキセキのメンバーからも怖がられていましたし、赤司には勝てない的な空気も漂っていました。つまり「黒バス」という漫画における一番強い人は、赤司くんです。彼がラスボスなのです。であるからして黒子くんの最終目標は自然と「ラスボス赤司を倒すこと」になるわけですよね。

結果から言って、黒子くんは戦いに勝ちます。

誠凛高校として、赤司くんのいる洛山高校に勝ちます。

そこに至るまでいろいろな出会いや経験があったわけですが、そもそもキセキの世代やラスボス赤司くんに勝つことには、それ相応の意味がありました。勝ちたい!と思うだけの理由がありました。

それは帝光中学やキセキの世代が持っていた「勝利こそ全て」という思想を打ち破ることです。

勝利さえすれば仲間を道具扱いしても良いとか、個々が強ければ良いとか、弱い相手には真剣に勝負をしないとか、そんな空気が黒子くんには許せませんでした。

だからこそ、仲間を信頼してチームワークで勝利を得たかったのです。そしてその栄光を、見事誠凛高校のみんなと勝ち取ったわけです。

 

いや~ほんと良かった!!!

おめでとう黒子っち!!!\(^o^)/

 

と思ったわけですが…あれ?

 

黒子くんがこんな荒波にのまれたのは何故なのか?ということをよくよく考えると、それはひとえに赤司くんと関わったからだなということに気付きます。

 

赤司の存在により成立するストーリー

もし赤司くんが黒子くんの特徴に目をつけずにいたら…多分黒子くんは中学で試合にでることもなく終っていたのでは…?

怒りや悔しさによって奮起することもなかったのでは…?

 

そう考えると、「黒子のバスケ」の黒子くんのストーリーが成り立つのは、赤司くんがいるからです。もし普通の生活を送っていたらこのストーリーはなかったことになるから、これは赤司くんありきの物語というわけです。

 

物語にはこういう、その世界が成立するために必要な「要素」というのがありますよね。それは主人公じゃないんです。主人公がそういう人生を歩むことになった契機となる「何か」です。

その「何か」は巨悪な組織とかでも良いと思うんです。それで、その悪を倒してHAPPY ENDになるとかで良いと思うんです。

とろこがどうでしょう、黒バスはちょっと事情が違う。

ラスボス赤司を倒したことで、黒子くんは自分の信じるバスケが正しいことを証明したことになります。反対に、赤司くんは自分の思想が敗れたことになります。

ここでもし赤司くんが完璧なる悪者だったら問題ないわけですが、彼は「良い人」になってしまった…いわば「目が覚めてしまった」わけです。

そもそも赤司くんは、家庭や教育環境から中学の頃に二重人格になっていました。本来の温厚な人格と、非道な人格。今までの赤司くんは非道な人格が表に出ていたわけです。ところが黒子くんとの戦いによって本来の人格が蘇りました。

…この部分が、30巻です。コミックスのラストの巻です。

ラスボスだった赤司くんが、実は本人もすごく多大なストレスを抱えていてその葛藤から自分を押し殺していた…的なことで、この「黒子のバスケ」は完結するわけです。

しつこいようですがこれがラストの巻です。赤司くん的には「お前のおかげで目がさめたよ、黒子(笑顔)」みたいなことですよね?

辛い二重人格から救ったのは黒子くんということになりますよね?

 

最終的にね…

赤司くんの方が印象に残るんですよ…

 

黒子くんが自分のバスケを押し通した…

そこまではわかる…

だがその先に、そのバスケで赤司くんを救ってしまった…

しかもバスケに関する考え方とかそんなレベルでなく人格そのものを救ってしまった…

このあふれ出るメシア感……

もうその時点でね…あれ、この漫画って黒子くんじゃなくて赤司くんの話じゃないの?みたいな気分になりまして…

 

「黒子のバスケ」というより、

「赤司のバスケ」なんじゃないか?

 

そう提言したく思います(笑)

 

影の主役は赤司くんなんじゃないかと…そう思ったのはわたしだけだろうか?

 

番外編もやっぱり最後は赤司様!

本編はそうして幕を閉じたわけですが、その後のはなしとして「ジャンプNEXT」で「黒子のバスケ EXTRA GAME」というのが短期連載されました。コミックスでは上下巻。少な目です。

こちらの内容は、アメリカのストリートバスケットボールチームVSキセキの世代中心の特別チーム「VORPAL SWORDS」という内容です。

キセキが同じチームだなんて!ドリームチームじゃないの!?なんて思いながら読み進めていきますと…

結果から申し上げまして、日本チームが勝利します。「これどうやって勝つのかな?」とハラハラしていたところ、最終的に発動したのは赤司様の能力です。

赤司様といえばさっき書いたとおり二重人格で、非道な人格の方は、勇者黒子くんによって封印されました。ところがこのアメリカチームとのゲームに勝つために、封印されていたネオ赤司が蘇るのです!

しかもどうでしょう、その封印されていた非道ネオ赤司は「今まで二人に別れていたからエンペラーアイ(※赤司の能力)は完全じゃなかった。だから僕はもう消えるよ」とかなんとか言ってるじゃありませんか!

そう…つまりこの漫画で、ついに赤司くんは本来の赤司くんに戻ったわけです。そして勝利をおさめたのです。

それがこの漫画のラスト…こうして「黒子のバスケEXTRA GAME」は幕を閉じるのです。

 

「黒子のバスケ」において、ラストで重要なことをやっているのは、たいがい赤司くんじゃないか…?

 

うん…やっぱり「赤司のバスケ」だ。

 

そう確信したのでありました。

 

黒子テツヤは「現代」を反映した主人公

黒子くんは火神くんと会ったとき「ぼくは影(脇役)だ。…でも影は光が強いほど濃くなり光の白さを際立たせる。光(主役)の影としてぼくも君(主役)を日本一にする」と言いました。

一見名台詞にも思うのですが、良く考えると赤司くんに負けず劣らずの厨二台詞のような気もするこの言葉を言われた火神くんは「…ハッ!言うね」とか返しております。ツッコミを入れない火神。さすがカレーライスを唯一ちゃんと作れるだけある。

それはともかく、自分を脇役だと一巻で言い放ってる黒子くん。少年漫画とかアニメの主人公は、元々すごく弱かったり、ダメ人間だったりすることがありますが、最終的には「実は親父がすごい人でその血をひいてた」とか「実は選ばれた人間だった」とか、この「実は」が多いように思います。

もちろん黒子くんもシックスマンとしての過去はあるわけだけど、「実は」のキャラは、その本人のみでも成立するような力を最終的に有するようになりますよね。最悪、周囲がいなくてもある程度成り立つような。

ところが黒子くんはそうじゃなかった。最後までそこまで特別じゃなかった。思えばこれは、すごく現代らしさがある設定ですよね!

自分は特別なわけじゃないけど、みんなで力を合わせて勝つという感覚。それは一人一人が特別じゃなくても、みんなで感情を共有したり、みんなで拡散しあって強力になるという、シェアすることが当然になった現代としては”感覚が近い”漫画だったのではないかなと思います。

スポーツものだからチームでの勝利は当然でしょ!という考えもありますが、その場合でも普通は主人公が俄然強くなるでしょう。そういう黒子くんが、キセキのような人達の考えを塗り替えてしまうところに意味があるわけで、やはり主役は黒子くんなんですね。

 因みにわたし、コミックス読んでて黒子っちのセリフに何度か泣きました。それを姉(※超黒バスファン)に言ったら「は?黒バスのどこが泣けるの?」と言われまして…友達にも「え?黒バスって泣ける?www」とか言われました……まじか………

 

一時期完売状態で売ってなかったコミックス

黒子のバスケ コミック 全30巻完結セット (ジャンプコミックス)

 

おまけ:お絵描き

最後に、おまけのお絵描きです。黒子っちを描いてみました!

いやはや、それにしても難しいですね。そしてボールの適当感…う~すみません! なんかいまいち納得いかんな~;

 

 

どうでもいいけど誠凛のユニフォームが好きです♪

あとここまで黒子と赤司について語りましたが、わたしは日向順平のファンです。日向くん最高! 長篠の戦い、いいよね! !!

以上、黒バスか赤バスについて語る記事でした。

ではでは、また!

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