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織田信長の城と足跡をたどる!愛知県1泊2日でめぐる聖地巡礼歴史旅(2)桶狭間古戦場・熱田神宮・小牧城など

2019年6月9日

 

瀬名氏俊が必勝祈願した「桶狭間神明社」

 

駅に戻る前にもう一つ立ち寄ったのが、こちらの「桶狭間神明社」です。

この周辺だけいきなり緑が深いので、「あれ、もしかして神社かな?」と思ったらズバリでした。桶狭間古戦場公園の近くに池があるのですが、その池をぐるっとまわった先にあります。

 

桶狭間古戦場公園の周辺は史跡が多く、全体的に雰囲気が落ち着いていましたが、この神明社のあたりはひときわ落ちついていましたね。鎮静を思わせる雰囲気の木造で、とても歴史を感じさせます。

旧社格は村社のようなので、昔から土地に密着した神社だったのかなと思ったのですが、よくよく確かめたらいろいろ由緒があるようです。

桶狭間の戦いのときは、前述の今川義元の家臣・瀬名氏俊がこの神明社に必勝祈願しています。その際に奉献した酒桶があるようです。

 

酒桶…! なんか酒桶ってすごくリアルじゃないですか?

サイトに写真があるのですが、木だし、なんだかすごい温度が伝わってきそうというか…!

 

 

 

ちなみに桶狭間神明社の御祭神は天照大御神です。天照大御神といえば、神道においてメインの神様ですよね。

それにしても、今川方でも必勝祈願していたということに驚きました!

信長は「桶狭間の戦い」にあたり、めっちゃたくさん必勝祈願していたらしいという記事をどこかで読んだことがあります。てっきり信長は怖い者ナシなのかと思っていたけれど、実際はめちゃくちゃ神頼みもしていたわけですね。

 

しかしですよ、桶狭間の戦いの醍醐味といえば、なんといっても多勢に無勢で信長軍が勝利したことじゃないですか。そして下剋上を果たしたことですよね。

軍勢の数値は諸説あってどれが正しいかわかりませんが、おおよそ25000~30000の今川軍VS3000~5000の織田軍といわれています。しかも今川義元は武田信玄や北条氏康と親戚関係にあって協力関係ができあがっている。

武田と北条といったらもうめちゃくちゃ有力者じゃないですか!

いつ裏切られるかわからない時代だったとはいえ、基本的に今川側には盤石な基盤があったわけですよね。メンタルだってやられることはないでしょう。

 

それだけ実力差がある状態でも、義元側にとって信長は必勝祈願をするほど脅威だったのでしょうか?

それとも戦に行くときはだいたいいつも必勝祈願するものなのかな??

 

仮に必勝祈願は当然という風潮だったとしても、当時の今川方がどういうふうに信長を分析していたのかがめっちゃ気になります。

うつけ者といわれていたくらいだから「あいつヤベーぞ」と思っていたのか、それとも「すぐにひねりつぶしてくれるわッ」的な気持ちだったのか、、

 

信長が必勝祈願した「熱田神宮」には信長塀がある

桶狭間古戦場近辺を堪能したあとは、信長が必勝祈願したといわれている「熱田神宮」です。

信長はみごと勝利を掴んだため、お礼として築地塀を奉納しています。これは「信長塀」と呼ばれており、入口すぐの場所にあります。

 

 

これが「信長塀」です。普通の塀なのだけど、あまりに自然にそこにあるので、なんだか不思議な気分になりますね。

 

熱田神宮

 

神社好きとしては、もちろん熱田神宮へのお参りも忘れません。信長も必勝祈願したという熱田神宮なので、なんだか後利益がありそうな気がしますよね!

熱田神宮の敷地はかなり広いので参拝後もいろいろ楽しめます。敷地内に「宝物館」もあるのですが、ここはもう必見です。

なぜってもう、、

 

太郎太刀がいますから!!!!

 

太郎太刀は、日本刀擬人化ゲーム『刀剣乱舞』でもお馴染みの刀です。

約2メートルというめちゃくちゃデカい刀で、実戦刀とは思えないのだけど、戦国武将・真柄直隆が使用していたと伝わっています。

 

真柄さんは「姉川の戦い」において太郎太刀で奮闘したとされているようですが、姉川の戦いといえば、織田VS浅井・朝倉連合軍の戦いとして有名ですよね。真柄さんは朝倉家の家臣なので、信長としては敵方ということになります。

思えば、信長が必勝祈願した熱田神宮にいき、その敵方の刀を見るというのもなかなか不思議な気分になりますね。

 

そんな太郎太刀がこの熱田神宮の宝物館で見られます。しかもこの宝物館、入館料が大人300円なのですが、太郎太刀は有料スペースに入らずに見られるんですよね。なんという太っ腹!

個人的にほかの宝物も気になったので有料スペースにも足を運びましたが、ここの宝物館は本当に一見の価値ありだなあと思いました。わたしが行ったときは刀剣の展示が多かったのですが、もうほれぼれする美しさでしたね。

 

熱田神宮の宝物館は、国宝や重要文化財など、かなりレベルの高いものが集まっているようです。なんでも約6000点の収蔵品の中から毎月展示を変えているそうな。

たしか頂いたパンフレットかなにかに、日本で一番刀剣が集まっていると書かれていたような気がします。ちょっと今その資料が手元にないのでわからないですが、刀剣好きには特におすすめですね!

 

 

桜まつり開催中の「小牧城」は眺めが最高だった

ラストは「小牧城」です。小牧城は小牧市にあるので、名鉄線に乗って名古屋市を離れるかたちになります。アクセスは以下の通りですが、すこし複雑でしたね。

地下鉄「平安通駅」で地下鉄上飯田線に乗り換えるのですが、途中の「上飯田駅」から名鉄小牧線に連絡しています。降車不要なのでそのまま乗り続けて「小牧駅」で降りればOKです。

ただし、前回おすすめしたような地下鉄「ドニチエコキップ」を利用している場合、上飯田駅から先は適用区間外なので清算が必要です。

ドニチエコキップはあくまで名古屋市のものなので、小牧市では使えるはずもなく…というかんじですね。

 

アクセス方法:
①「名古屋駅」から「栄駅」にいく
②名城線に乗換えて、地下鉄「平安通駅」にいく
③地下鉄上飯田線・名鉄小牧線に乗換えて、名鉄「小牧」駅下車
④そこから徒歩25分 or 名鉄バス・ピーチバス・小牧巡回バス「小牧市役所前」バス停下車し徒歩10分

 

 

小牧駅についてからは徒歩かバスですが、わたしは徒歩でいきました。実際歩いてみると、たしかに20分くらいはかかった気がします。道としては道路沿いを直線に歩くだけで、最初の方向だけ間違えなければ問題ないです。

それにしても、小牧駅は結構大きな駅っぽいのだけど閑散としていました。もともと別の路線も走っていたけど廃線になったようですね。駅そのものがシャッター降りているので、なんだか不思議なかんじでした。

あとここも外人さんが多かった。初めての土地に行くと、自分の知らない世界が広がっていて面白いですね。

 

 

道路沿いをてくてく歩いていくと遠目に山が見えてきて、、

山の上に小牧山城が見えてきました!

 

 

山の麓は広場のようになっていて、ちょうど桜のお祭りの期間だったこともあってかなりの人出でした。家族連れやカップル、グループなど、本当にたくさん人がいましたね。

遊んでいる人もいるし、犬の散歩している人もいるし、あと花見している方がめっちゃ多かったです。かなり本格的な花見で、ワイワイしながらBBQみたいになってるグループもいました。なごみますね~♪

 

 

小牧山城は山頂にあるので、そこから山を登っていきます。

結構綺麗に整えられているので歩きやすいですが、そうはいっても山です。運動不足の身体にはこたえるぜ、、

 

 

歩き続けること約10分、ようやく山頂に到着です。小牧城(小牧山城)はこんなかんじです。

この建物は「小牧市歴史館」となっており、もともとは名古屋市在住の実業家のかたが私財を投じて(!)建設されたそうです。個人が城を建てるってすごい!

そんなわけでシンボル的なお城ですね。とはいえ、かつて信長がこの地にあった小牧山城を居城としたことは確かでしょう。

 

歴史館なのでお城の中にはいくつか展示があります。入館料は大人100円とかなりリーズナブル。お財布にやさしい♪

しかもわたしが訪問したときは、おまつり期間ということもあって無料でした。土地が土地なら「人がたくさん入るから逆に高くしようぜ」ってなりそうなところを…親切が身に沁みる!

 

 

小牧山城の天守閣(?)からの眺めです。小牧山は桜の名所でもあるそうで、とても桜が綺麗でした。風情があっていいですね!

かつて信長もこの景色を見たのでしょうか。当時とはかなり様子がかわっているはずですが、当時の彼はどんなことを考えていたのか…歴史旅でこういう遠景を見るたびにそんなことに思いを馳せますね。

 

桶狭間古戦場まつりがあるらしい

ところで今このエントリーを書くために桶狭間のことを調べていたら、なんと、今日6/9に「桶狭間古戦場まつり」が開催されるとのこと! ぜんぜん知らなかったので、あまりの偶然に驚きました!!!

 

 

万灯会とか素敵だな~! めっちゃ幻想的じゃないですか!?

こんなん見たら創作意欲わいちゃいますね♪

 

そんなわけで今回は織田信長の城を足跡をたどる聖地巡礼旅でしたが、なにげに今川義元の聖地巡礼にもなっていたような気がします。夏休みでもなんでもない時期に行ったわりには、わたし以外にも観光している方がちらほらいらっしゃってニマニマしました。

信長の聖地としては、いつか本能寺に行ってみたいですね。本能寺といえば京都ですが、関西にいくなら九度山町にもいって幸村の聖地巡礼したい!と、もう行きたいところがありすぎて困ります。

とにもかくにも、またどこか歴史旅をしたい。やっぱりたまに旅をすると、すごく心が落ち着いていいなあと思います。

長い歴史旅のエントリーになりましたが、最後までお付き合いくださった方がいらっしゃいましたら、ありがとうございました!

ではでは、また!

 

 

 

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